自律神経コラム

自律神経と腹痛の関係について

食べすぎたり、期限切れのものを食べたりしたわけでもないのに「なぜかお腹が痛い…」。

腹痛だけでもつらいのに、思い当たる原因がないと余計不安になってきませんか?

その腹痛、実は「ストレス」からきているのかもしれませんよ!

そこで今回は、ストレスを受けるとなぜ腹痛が起こるのか、
自律神経の働きを交えながらお話していきます。

自律神経と腹痛【目次】
1.そもそも腸はどんな働きをしているの?
2.腸がきちんと働くのは自律神経のおかげです!
3.日常でもできる対処法は?
4.さいごに

1. そもそも腸はどんな働きをしているの?

まず、食べたものがどのように排出されていくのか簡単に見ていきましょう。

① 口から摂取した食べ物は、胃で消化された後にどろどろの粥状になって小腸に送られます。
② 小腸で内容物に含まれている栄養素が吸収され、残りは大腸に送られます。
③ 大腸で水分が吸収されて固形の便が作られます。
④ 最後に腸のぜん動運動によって便として排出されます。


便を作り出すのに大活躍する大腸。
この大腸は、伸び縮みによって内容物を送り出す「ぜん動運動」を行っています。
大腸のぜん動運動が活発すぎると内容物の水分を十分に吸収できないため下痢に、逆にぜん動運動が低下すると、内容物が長く腸に留まって水分が吸収されすぎてしまうため便秘になりやすくなります。

このように、便の水分量は大腸の働きが大きく関わっています。
大腸に何らかの異常が起きて水分の吸収が適度に行えないと、便秘や下痢といった症状から腹痛が起こるのです。


ちなみに、理想的な硬さの「固形便(バナナ状)」の水分量は70~80%とされていて、70%以下になると便秘、80%以上になると下痢が起こりやすくなるといわれています。



自律神経と腸

2.腸がきちんと働くのは自律神経のおかげです!


なにかとストレスの多い現代ですが、検査をしても何の異常もないのに下痢・便秘による腹部の痛みや不快感が続く「過敏性腸症候群」といった病気で悩んでいる方が増えています。

ではなぜ、ストレスが腹痛につながるのでしょうか。


まず、腸の働きは自律神経によって支配されています。
自律神経には、アクセルの役割を果たす「交感神経」とブレーキの役割を果たす「副交感神経」のふたつがありますが、これらのバランスが崩れると腸の働きに良くない影響を与えてしまうのです。


「交感神経」が優位になると、腸は働きを抑制します。
前段でお話ししたとおり、大腸のぜん動運動が低下すると内容物の水分が吸収されすぎて便秘になりやすくなります。
一方、「副交感神経」が優位になると腸の働きが活発になります。
腸のぜん動運動が促進されて良い状態にはなりますが、過剰に働きすぎると下痢を引き起こしやすくなります。
こうして、便秘であればお腹の張り、下痢であれば差し込むような痛みなど、痛み方は様々ですが非常につらいお腹の痛みへとつながっていくのです。


つまり、「交感神経」と「副交感神経」がそれぞれ過剰に働きすぎずバランスよく保てている状態こそが、腹痛を回避するベストな状態だということです。


そして、これらの自律神経は脳の視床下部にコントロールされており、この視床下部がストレスによる緊張や不安といったネガティブな感情に強く影響されるのです。
視床下部がストレスの影響を受けると自律神経のコントロールもうまくいかず、結果的に腸の働きにも悪い影響を与えて腹痛を引き起こす…というメカニズムになっているのですね。




自律神経と生活リズム

3.日常でもできる対処法は?


ストレスからくる腹痛にはどのように対処したら良いのでしょうか?

まずは、生活習慣の改善から始めてみましょう。
なかにはお薬を服用している方もいるかもしれませんが、そのような場合でもお薬だけに頼らず、並行して生活習慣の改善を図っていくのが効果的です。


睡眠をしっかりとって、朝は決まった時間に起きるようにしましょう。
「よく眠れなかったな…」というときでも、朝日を浴びるとスッキリ目覚めることができますよ。


また、なるべく同じ時間にバランスの良い食事を3食摂るように心がけてください。
もちろん暴飲暴食や夜間の大食いは控えてくださいね。
このように規則正しい生活を送っていると、自然と身体のリズムも整っていきます。


さらに、最大の敵であるストレスをため込まないようにするのも大切です。
お風呂にゆっくり浸かったり、テレビや読書など好きなことをしたりして、自分の時間を大切にしてくださいね。




自律神経とリラックス

4.さいごに


「ストレスをためるな!」なんて、言うのは簡単ですが実はすごく難しいですよね…。

家事や育児のストレス、仕事でのプレッシャーなどなど、自分ではどうにもならないことも多くあると思います。
そんなときは「自律神経のバランスを整える」ことも考えてみてください。

「自分へのご褒美」と言って当院の鍼灸治療を受ける方も多くいらっしゃいますよ!




自律神経と鍼灸

わかもと製薬 胃腸の健康「胃腸のしくみと働き」
https://www.wakamoto-pharm.co.jp/health_si/understand/

トメダインコーワ「知っているようで知らない下痢のお話」
https://hc.kowa.co.jp/tomedain/diarrhea/what.html

T-PEC「心を腸が代弁-過敏性腸症候群」
http://www.t-pec.co.jp/health-news/2013/02.html

プロフィール

東京吉祥寺の自律神経専門の鍼灸院
鍼職人 サトウ コウキ

不眠をはじめ、肩こりや腰痛、背中の痛み、眼精疲労、ダイエット、生理痛・PMS、パニック障害などの自律神経のトラブルは一度お問い合わせください。
当院では施術のみならず、ご自分で出来る簡単なセルフケアや生活習慣の改善などを含め、ご相談にものっております。
皆さまにより良くなって頂けるよう最大限サポートさせて頂きます。

資格・所属団体

厚生労働省認可 国家資格
はり師 第136568号 / きゅう師 第136387号
多摩府中保健所届出済治療院
公益社団法人 全日本鍼灸学会 所属

安眠道鍼療院

所在地 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-25-12ピネスプラザ 301号室
※JR中央線総武線、京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩約5分
営業時間 10:00~17:00 / 完全予約制 / 土・日祝診療中
休診日 水曜日・木曜日

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