自律神経コラム
ひとくちに頭痛といっても原因によっていくつかに分けられ、片頭痛などの一次性頭痛(慢性頭痛)のほか、外傷・感染症などで起こる二次性頭痛(症候性頭痛)といったものがあります。
このうち今回は、多くの方の悩みのタネにもなっている一次性頭痛(慢性頭痛)である「片頭痛」と「緊張性頭痛」についてみていきましょう。
頭の片側、または両側がズキズキと脈打つように痛むのが特徴。
頭痛が起こる前兆として、目の前にチカチカした光が見えることがあります。
歩いたり体を動かしたりすると悪化する頭痛で、ひどいときは吐き気や嘔吐が伴います。
⇒対処法
血管が拡張して起こる頭痛なので、血管を広げてしまわないように、体を動かさず安静にしましょう。
また、こめかみの辺りを冷やすのも効果的です。
さらに音や光に敏感になることもあるため、明るい照明を避けるなど刺激を与えないことも大切です。
頭全体が絞めつけられるように痛むのが特徴。
片頭痛のような脈打つ痛みとは異なり、一定の痛みが長い時間続きます。
頭皮を軽くマッサージしたりストレッチしたりするなど、体を動かすと軽くなることがあります。
⇒対処法
血管が収縮して筋肉が凝ることで起こる頭痛なので、血行を良くするよう心がけましょう。
首や肩まわりを中心に体全体を温めて緊張をほぐすことが大切です。
長時間にわたって同じ姿勢でいることを避け、定期的に立ったり座ったりを意識してください。
そして、この季節はなんと言っても「入浴」です。忙しくて、シャワーのみという方々も、極力湯船につかる時間を見つけてください。お気に入りの入浴剤など入れたりして、リラックスできるように工夫してみましょう。
当院には、他の機関やクリニックから「自律神経系が問題のようだと言われた」とか、「自律神経失調症だと診断された」という方が多く訪れます。
そしてその方々の共通点は、みなさん「頭痛」を訴えていること。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
自律神経は「自ら律する」神経なので、意識的に鼓動を早めたり、お腹の中を動かしたり、血圧の上げ下げしたりすることができないことからもわかるように、私たちが意識的に動かすことができない神経です。
この自律神経には「交感神経」と「副交感神経」とがあり、血管を支配しているのは主に「交感神経」。
血管の収縮・拡張はこれら自律神経の絶妙なバランスによって保たれているもので、このバランスが崩れると血流にも大きな影響を与えてしまうのです。
ここで、片頭痛と鍼治療に関する研究について見てみましょう。
(出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/56/2/56_59/_pdf/-char/ja)
研究では、片頭痛患者の側頭筋・咬筋・僧帽筋などのツボに10分ほど鍼を置き、治療前後の視床下部の血流を測定しました。
この視床下部というのは自律神経の働きを司る脳の部位で、同研究において、片頭痛の発作が起きている時は視床下部を中心した脳内血流が低下していることがわかりました。
しかし鍼治療の直後に測定すると、視床下部の血流が増加して効果が持続したという結果が得られました。
つまり、鍼治療により脳内の血流が改善して、片頭痛の改善につながったというわけです。
このように頭痛と自律神経は深く関係していることはわかりましたが、とにかく頭痛の不快感には襲われたくないもの。そこでここからは、日常で取り入れやすい頭痛の予防方法についてご紹介していきます。
片頭痛を予防するのに良いとされているのが、マグネシウムやビタミンB2。
これらが豊富に含まれている「ほうれん草・アーモンド・サバ・サーモン・大豆・豆腐・ひじき・ワカメ」といったものを、意識して食事に取り入れるのがおすすめです。
食事で摂るのが難しいときは、サプリメントで取り入れても効果が期待できますよ。
ちなみに、「こめかみに梅干しを貼ると頭痛に効く」という話を聞いたことがありますか?小さい頃におばあちゃんに言われた方も多いのではないでしょうか。
実はこれは気休めでなく、梅干しの香り成分であるベンズアルデヒドに痛み和らげる効果があることが医学的にわかっています。
梅干しの香りを嗅ぐだけでも効果があるようなので、もし頭が痛くてつらい時は試してみてくださいね。
頭痛の症状は個人ごとに異なり、日によっても痛み方が全然ちがうことがあります。
そのため、「頭痛が起きた日付・時間帯・痛み方・吐き気などの痛み以外の症状」などをメモしておくと対策がとりやすくなっておすすめです。
例えば、夕方に片頭痛がよく起きるとか、生理前に頭痛が頻繁に起こる…といった傾向を掴むことができ、スケジュールの調整や服薬の準備に役立ちますし、病院に行った際も症状を正確に伝えることができるようになりますよ。
頭痛で当院を訪れる初診の方を拝見すると、ほぼ全員が「首・肩」がガチガチ。
おそらく皆さん、長時間のPC・スマホによる結果ではないかと考えられます。
今回お話したように、片頭痛も緊張性頭痛も、その多くは血管・血行の問題であり、血管を支配しているのは自律神経機能です。
そしてまた、自律神経はストレスに弱いもの。ということは、ストレスを多く感じる現代社会においては、自律神経のバランスを整えるのは必須であり、最優先と言っても過言では無いのではないでしょうか。
不眠をはじめ、肩こりや腰痛、背中の痛み、眼精疲労、ダイエット、生理痛・PMS、パニック障害などの自律神経のトラブルは一度お問い合わせください。
当院では施術のみならず、ご自分で出来る簡単なセルフケアや生活習慣の改善などを含め、ご相談にものっております。
皆さまにより良くなって頂けるよう最大限サポートさせて頂きます。
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はり師 第136568号 / きゅう師 第136387号
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